Aさんは神経難病の方で、看護小規模多機能を利用しながら在宅生活を続けてきましたが、介助量が増え、施設入居を決断。
事前情報では暴言暴力が激しく、昼夜問わず、奥様や孫の名前を大きな声で呼んだり、様々な訴えが多く、御家族はもちろん看護小規模多機能でも対応に苦労していた。
のがわに入居後も、暴言や大声はしばらく続き、頓服薬が処方された時期もあったが、飲むことはほとんど無く、根気強く、不安なことは何なのか、何がしたいのか、寄り添い続け、安心できる場所になるよう関係性の構築に努めた。結果、良好な関係性が構築され(笑顔が増えた)、安心できる場所となり、BPSDが落ち着いたように感じる。
Bさんは特養からのがわに入居する。娘さんの話だと、特養は生活を送る場所ではなかったので、家庭的な雰囲気ののがわへの入居を決めたとのこと。
特養では、多動で暴言暴力が激しく、生活全般にサポートが必要な状態であったので、対応に苦労していた。
入居当初はのがわでも暴言や暴力などBPSDは激しかったが、必ず原因があるはずだとモニタリングを続け、機嫌が悪い時は、トイレのサインやお腹が空いている時の可能性が高く、トイレ誘導やお菓子や飲み物の提供をきめ細やかに行った。
※ニーズの汲み取り
更に、このような方はスタッフから敬遠されがちであるが、逆に声掛けを頻回に行うなど、関わりを多く持つように意識した。※小規模のメリット
現在は、年を重ね、ADLも落ち、認知症も進行した影響もあると思いますが、BPSDは劇的に減っています。娘さんは安心できる場所なんだと思いますと感謝されています。
Cさんは看護小規模多機能を利用しながら在宅生活を続けていましたが、在宅での限界、看多機でのケアの限界を感じ、御家族がのがわ入居を決める。
※看多機利用中も対応に困り、スタッフから御家族へ助けを求める電話は多かったようです
看多機では、玄関に荷物をまとめ座っているCさんを何度か見かけた。
おそらく、自宅に帰ろうとしているのであろうが、施錠されていて出られない。
このような様子から、安心できる居場所にはなっていなかったのかもしれない。
のがわではAさんBさんと同様に、安心できる居場所になるように様々な訴えに寄り添い、家族にはなれないが、家族のような関係性構築に努めた。
胃瘻の方だったのも影響してか、入居期間は長くなく、家に帰るという訴えはそれほど聞かれず(一時のみ)、最後の方は落ち着いて過ごされ、看取りをさせていただいた。