在宅生活時の日課を入居後も継続することができた事例

健康のために「歩いて運動したい」Aさん(80代 女性)の望みを叶えるには?

Aさん(80代 女性)

自宅で過ごしている時から、毎日午前と午後の1時間ずつを健康のために歩いて運動していました。

健康のために続けていきたいという想いを持っていましたが、安全のために職員が一緒に外へ付き添うことは「私なんかのために時間を使わせたら申し訳ない」と断るようになり、このままではAさんの望んでいる生活が実現しないと考えました。

Aさん(80代 女性)が1人で外出するための課題

①同じ市内でもAさんが暮らしていた場所とは違うため一人で歩いた場合は道に迷ったり、もしくは事故に遭ったりする危険性が高くなります。

②職員がこっそりついて行きたくても、すぐに出られない時は待ってもらうことになり、Aさんが出たい時に出られないと“閉じ込められた”と感じて、居心地の悪さに拍車がかかってしまいます。

①②を叶えるため、ご家族に位置情報(GPS機能)付き端末を購入してもらい、玄関は施錠せずにいつでも出られる用意をしました。

Aさんが「行ってきます」となったら「行ってらっしゃい」と端末を入れたカバンを渡すことにしました。

ご家族も「散歩はとても大切にしている日課なので、お母さんにとってはできないことの方が辛いと思います。」と1人で出かける事、職員が付き添わない事を了承して頂きました。

Aさんが1人で出かけることへの「ご家族の不安」と「解決策」とは?生活を実現するために考えた“お守り”

ここで新たな課題が一つ発生しました。

③見慣れないGPS端末は、Aさんがカバンから捨ててしまう可能性が残っていました。

そこで“お年寄りの方ほど、捨てないであろう袋”を手作りして、そこへ入れることにしました。

1人で行動するために持ち歩いている位置情報(GPS機能)付き端末
どこから見ても【お守り】風

Aさんは出かけたい時に出かけ、職員へ気を遣うこともなく散歩を継続することができました。

事例の解決策とまとめ

何度も散歩をしているうちに、Aさんはほとんどの場合で返ってくることができるようにもなりました。

職員は位置情報を探りながら、道に迷っていそうな時や、ある程度時間が経った時は迎えに行くことで、散歩を続けた数年間で1度も事故に遭うことはなく、行方不明になることもありませんでした。