「訪問介護に興味はあるけれど、利用者さんのお宅にひとりで行って、何をどう進めるのか想像がつかない」。そんな方に向けて、この記事では訪問介護ヘルパーの1日の流れを、モデルケースと1件の訪問の進め方に分けて紹介します。移動や空き時間の扱い、困ったときの相談のしかたまで、働き始める前に知っておきたいことをまとめました。立川市で訪問介護を行う、のがわのアルムの丘ケアステーションが解説します。
この記事の要点
- ヘルパーの1日は「1件ごとの訪問」を組み合わせてできている
- 1件の訪問は、到着・様子の確認・支援・記録の流れで進む
- 訪問と訪問のあいだの移動時間は、原則として労働時間になる
訪問介護ヘルパーの1日は「訪問の組み合わせ」
訪問介護ヘルパーの1日は、1件ごとに完結する訪問をいくつか組み合わせてできています。何時にどのお宅へ行くかは、事業所が事前にスケジュールを組みます。
1件の時間は、サービスの内容で決まる
訪問介護の1件の時間は、利用者ごとのケアプランと訪問介護計画で決められています。食事の介助だけなら短時間、入浴と掃除をまとめて行う日は長め、というように、支援の内容によって変わります。アルムの丘ケアステーションの場合、1件の訪問は30分から2時間ほどです。
スケジュールはサービス提供責任者が組む
どのヘルパーがいつ、どのお宅を担当するかは、事業所のサービス提供責任者(サ責)が調整します。ヘルパーは、自分が働ける曜日や時間帯を伝えておき、その範囲で訪問の予定が組まれます。
担当するお宅の情報や、支援で気をつけることも、サービス提供責任者から引き継がれます。初めてのお宅には、先輩ヘルパーやサービス提供責任者が同行することが一般的です。
モデルケースで見るヘルパーの1日
ここでは、働き方の違う2つのモデルケースで、ヘルパーの1日を紹介します。どちらも直行直帰を前提にした例です。
ケース1:午前中だけ働く日(2件)
子どもを送り出してから、お昼までに帰りたい方の例です。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 8:45 | 自宅を出発し、1件目のお宅へ直行 |
| 9:00〜10:00 | 1件目:掃除と洗濯、買い物の代行(生活援助) |
| 10:00〜10:30 | 2件目のお宅へ移動 |
| 10:30〜11:30 | 2件目:昼食づくりと食事の見守り |
| 11:30 | 記録を終えて、そのまま帰宅 |
1日の勤務は2時間30分ほどです。事業所に寄らずに自宅から直接向かい、終わったらそのまま帰れるので、家事や子育てとの両立がしやすい働き方です。
ケース2:しっかり働く日(4件・休憩あり)
週20時間以上を目安に、日中しっかり働きたい方の例です。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 8:30〜9:30 | 1件目:起床と着替え、朝食の介助(身体介護) |
| 10:00〜11:00 | 2件目:入浴の介助(身体介護) |
| 11:30〜12:30 | 3件目:調理と配膳(生活援助) |
| 12:30〜13:30 | 昼休憩(空き時間) |
| 14:00〜15:00 | 4件目:掃除と夕食の下ごしらえ(生活援助) |
| 15:00 | 記録を終えて帰宅 |
身体介護と生活援助を組み合わせると、1日のなかで仕事の内容に変化が生まれます。どのくらいの件数を担当するかは、本人の希望と利用者の予定をもとに調整します。
1件の訪問の流れ:到着から退室まで
1件の訪問は「到着とあいさつ」「様子の確認」「計画にそった支援」「記録と退室」の4つの流れで進みます。
1.到着・あいさつ・手洗い
約束の時間にお宅に着いたら、まずはあいさつです。そこはご本人の生活の場なので、「おじゃまします」の気持ちを大切にします。入室したら、最初に手を洗います。感染を防ぐための基本です。
2.体調と様子の確認
支援を始める前に、顔色や表情、声の調子を見ながら、体調を確認します。「昨日はよく眠れましたか」「今日はお昼に何を食べたいですか」。こうした会話のなかに、体調の変化に気づくヒントがあります。いつもと違うと感じたら、記録に残し、事業所に報告します。
3.計画にそった支援を行う
支援の内容は、訪問介護計画で決められています。身体介護では、食事や入浴、排せつの介助を行います。生活援助では、調理や掃除、洗濯、買い物などを行います。
台所の使い方や洗濯物のたたみ方など、お宅にはそれぞれのやり方があります。ご本人のやり方を尊重しながら、できることはご本人にお願いし、できない部分をお手伝いするのが訪問介護の基本です。
4.記録と退室
支援が終わったら、行ったサービスの内容や、ご本人の様子を記録します。記録は、次に訪問するヘルパーやサービス提供責任者、ケアマネジャーとの大切な情報共有の手段です。火の元や戸締まりを確認して、あいさつをしてから退室します。
訪問と訪問のあいだ:移動と空き時間
訪問先から次の訪問先への移動時間は、原則として労働時間として扱われます。一方で、自宅から最初の訪問先へ向かう時間は通勤にあたります。
移動手段は、エリアと事業所の決まりによる
訪問先への移動手段は、担当するエリアや事業所の決まりによって違います。自転車や徒歩、公共交通機関を使うことが多く、事業所によっては車での訪問もあります。応募の前に、どの移動手段を使うのかを確認しておきましょう。アルムの丘ケアステーションでは、車通勤はできません。
移動時間は、原則として労働時間
訪問先から次の訪問先への移動時間について、厚生労働省は考え方を示しています。通常の移動に必要な時間程度であれば、原則として労働時間に当たる、というものです。自宅から最初のお宅へ直行する時間や、最後のお宅から自宅へ直帰する時間は、通勤時間の扱いです。
空き時間は自由に使える
訪問と訪問のあいだに空き時間ができることもあります。その時間に仕事をする必要がなく、自由に過ごせることが保障されていれば、労働時間には当たりません。一度帰宅して家事をすませたり、昼食をとったりと、自分の時間として使えます。
ヘルパーができること・できないこと
介護保険の訪問介護では、利用者本人のための支援が対象です。家族の分の家事や、日常生活の援助を超える作業はできません。
介護保険の訪問介護でできないことの例
介護保険の生活援助は、利用者本人の日常生活を支えるためのものです。そのため、次のような支援は原則として対象外です。
- 家族の分の食事づくりや洗濯
- 利用者が使っていない部屋の掃除
- 大掃除や窓のガラス磨き、庭の草むしり
- ペットの世話
利用者やご家族から頼まれても、その場で引き受けることはできません。「これはお手伝いしてよいのかな」と迷ったら、サービス提供責任者に確認するのが基本です。
困ったら、1人で決めずに相談する
訪問先では基本的に1人ですが、1人ですべてを判断するわけではありません。体調の急な変化、頼まれごとへの対応、利用者との関わり方の悩み。迷ったときは、事業所に連絡して相談します。相談できる体制が整っているかどうかは、事業所を選ぶうえで大切なポイントです。
アルムの丘ケアステーションのヘルパーの働き方
アルムの丘ケアステーションは、立川市を中心に7市で訪問介護を行う事業所です。週1日1時間から勤務でき、サービス提供責任者3名が訪問先での相談に応じています。
訪問エリアと勤務時間
アルムの丘ケアステーション(立川市栄町)の訪問エリアは、立川市・武蔵村山市・昭島市・国立市・国分寺市・東大和市・東村山市の7市です。サービスは土日祝も含めて8時30分から18時まで行っており、そのなかで週1日1時間から勤務できます。勤務する曜日は、希望をうかがったうえで調整します。週1日から働ける仕組みについては、登録ヘルパーという働き方の記事で詳しく紹介しています。
困ったときの相談と、同行研修
サービス提供責任者が3名在籍しており、訪問先での判断に迷ったときはいつでも相談できます。働き始めは先輩ヘルパーの同行研修があり、苦手な分野の支援も、できるようになるまで同行します。
長く働く先輩が多い職場
アルムの丘ケアステーションの訪問介護員23名のうち、16名が勤続10年以上です。平均勤続年数は9年2か月で、登録ヘルパーの平均年齢は63.9歳。70代のヘルパーも活躍しています。
給与と手当
時給は1,500円から2,100円で、支援の内容によって異なります。訪問が直前にキャンセルになった場合は、キャンセル手当として750円を支給します。交通費は実費支給(上限月20,000円)です。週20時間以上勤務する方には、東京都の居住支援特別手当を支給しています(求人ページ記載額は月20,000円)。
重度訪問介護のスタッフも募集しています
アルムの丘ケアステーションでは、日勤のみ・夜勤なしで働ける重度訪問介護のスタッフ(パート)も募集しています。無資格の方は、重度訪問介護従業者養成研修の受講からスタートできます。
訪問介護ヘルパーの1日に関するよくある質問
Q. 1日に何件くらい訪問しますか?
A. 働く時間や希望によって異なります。午前中だけ1〜2件という方もいれば、日中に4件ほど担当する方もいます。件数は、ご本人の希望と利用者の予定をもとにサービス提供責任者が調整します。
Q. 毎日事業所に出勤する必要はありますか?
A. 訪問介護は自宅から利用者宅へ直接向かい、終わったらそのまま帰る直行直帰の働き方が一般的です。研修や打ち合わせなどで事業所に行く日もあります。
Q. 訪問がキャンセルになったら、給与はどうなりますか?
A. 取り扱いは事業所によって異なります。アルムの丘ケアステーションでは、訪問予定が直前にキャンセルになった場合、キャンセル手当として750円を支給しています。
Q. 初めてのお宅に1人で行くのが不安です。
A. 多くの事業所では、初めてのお宅には先輩ヘルパーやサービス提供責任者が同行し、支援の内容やお宅のルールを引き継ぎます。アルムの丘ケアステーションでは、苦手な分野の支援もできるようになるまで同行します。
まとめ:1日の流れがわかれば、訪問介護はぐっと身近になる
訪問介護ヘルパーの1日は、1件ごとに完結する訪問の組み合わせです。1件の訪問は、到着から様子の確認、計画にそった支援、記録までの流れで進みます。移動時間は原則として労働時間になり、空き時間は自分の時間として使えます。そして、迷ったときに相談できる仲間がいることが、ひとりで訪問する仕事を支えています。
アルムの丘ケアステーションでは、訪問介護のヘルパー(パート)を募集しています。週1日1時間からの勤務についても、お気軽にご相談ください。
参考資料
- 厚生労働省「訪問介護労働者の法定労働条件の確保のために」(移動時間・待機時間の考え方)
- 厚生労働省 通知「指定訪問介護事業所の事業運営の取扱等について」(老振第76号、生活援助の範囲)
- 高齢者複合施設のがわ 公式サイト(https://tcy-nogawa.com/)
